愛知・岐阜・三重の3県にまたがるネットワークを持ち、現在23サロンのオーナーが所属している日本ビューティーマネージメント協会
(以下JBM)。
創設者の小出昭司氏は、弟の健司氏が美容師を志したということで、サロン出店を機に理美容業界に携わることに。当時の理美容サロンのオーナーと接していて、小出氏が強く感じていたのは「経営を学ぶ機会が少ない」ということでした。
まだ業界が右肩上がりで成長している1991年に「みんな50歳になったらどうするの?」という間いかけのもとにJBMは発足しました。
立ち上げ当初からマネジメント・リーダーシップ・マーケティングなどを中心に勉強してきました。今年4月の名古屋市会議員当選により、小出氏は理事長を後任の宮本孝一氏に譲り、現在は顧問という立場です。
小出氏は「利他の精神」の重視性を強調し、自分だけの得を追うのではなく、社会に貢献してこそ真の経営者となりうる、という考えです。
それはまた「ギブ&ギブ」という言葉でJBMメンバーの間で共有され、そして最終的には人間力の向上をめざしています。
清水恒寿(しみず
こうじゅ)
体験フェスティバル・実行委員会代表。美容室サンライズ代表。 愛知出身。中日美容専門学校卒業。東海地区のサロンオーナーで構成されるJBM(日本ビューティーマネージメント協会)の理事を務めている。現在、愛知・岐阜・三重に23名が所属している。 |
そんな精神を持つJBMだからこそ、少子化がもたらす理美容師のなり手減少という、現在業界が抱える問題に着手せずにはいられなかったのです。
毎月の経営者としての勉強会の合間をぬって約1年半の間、綿密な準備をして今回「美容師体験フェスティバル」を開催するに至りました。 多くの子どもたちが幼いころに憧れる職業の1つとして美容師はあげられます。
しかし理美容学生をはじめ、なり手の減少に歯止めがかかりません。親に対する業界のイメージアップ、「未来の担い手」である子どもへのアピールの一環として美容師体験フェスティバルは位置づけられています。
「今回のイベントは美容を子どもさんに親しんで、楽しんでもらうことです」とは理事長の宮本氏の想いの中、
一般の人を巻き込んだイベントということで、まずは宣伝広告から最初に着手しました。
最初は東海地区で圧倒的な影響力を持つ中日新聞社から後援を得ることに尽力。
見事それを果たしました。
そして愛知県教育委員会、東海市教育委員会からも相次いで後援を得、とくに開催地である東海市の小中学校には、JBMメンバーがリーフレット配布を依頼しに一校一校訪
問しました。愛知県下の理美容学校にも告知をし、各メーカーやディーラーにもリーフレットの配布を依頼するなど、とにかく幅広いPR活動をしました。 |
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今回の目玉として「美容師体験教室」があります。「ネイル教室」「メイク教室」「ヘアアレンジ教室」「カラーコーディネート教室」「エクステ教室」の5ブースが設けられ、それぞれが無料で体験できるコーナーです。
ありがたいことに、11時の開始とともに各ブースには人だかりができました。
やはり圧倒的に多いのは女の子。普段のサロンではできない大胆なヘアアレンジに、ちょっとはにかみながらも、やっぱりうれしそう。
「今日が初めてなんですよ」と微笑ましくわが子の変身を見守る母親に話を聞いたのはメイクブース。
ばっちりと化粧してもらい、表情も少し大人びた様子。親子そろってJBMメンバーのサロンの常連客で、そこでイベントのことを聞き、この日訪れたそうです。
初体験はネイルやエクステもそう。ネイルブースでは自分で好きな色とチップを楽しそうに選ぶ女の子の姿が見受けられました。
姉と弟で仲よくエクステをつけてもらった浅井シナちゃんと良泉くんは、「うれしい」とエクステをなびかせながら芝生で追いかけっこ。
中日新聞の広告を見て、会場に訪れたという母・涼子さん(仮名)は「じつは昔、美容室で働いていたんです。でも通信で免許をとるには3年かかる上に結婚が重なって、諦めちゃったんですね。だからシナには美容師になってほしくて、今日連れてきたんです。この仕事の魅力に気づいてくれたかな?」と話す。将来のきっかけの1つに、このイベントが貢献していることが実証された瞬間と思いました。
カラーコーディネートブースでは、目の色、肌の色を考慮した上で、その人にあったシーズンカラーを丁寧に教えてくれる教室です。ちょっと難しい言葉もあってか、子どもはキ
ョトンとした様子。反対に親御さんは熱心に耳を傾ける姿が見られました。
多くの子どもたちはこれらブースを一通りまわり、すべての体験を楽しんでくれてました。 |